SEKKEI EXPO

【テーマ】 ものづくり・経営 「思想から生まれる設計メソッドと大工・工務店の可能性」

「素材×手しごと×美しさ ─ものづくりを究めるための設計手法─」
株式会社菱田工務店 代表取締役/大工アーティスト 菱田 昌平 氏

デジタルが加速し、本格的なAI時代に突入しようとするいま、家づくりだけでなく、人間味のある人間にしかできない手しごとの価値は確実に再評価され、その価値は高まり続ける。一方で、効率化と生産性を追求する工業生産品としてのファスト住宅は、短い時間で飽きられていく。工務店はいまこそ、覚悟を持ってものづくりをベースに据えた家づくりにかじを切るべきだ。そのために必要な、「素材×手しごと×美しさ」をコンセプトとする設計手法を解説する。

「地材地建、Long Loved Designで100年後も美しい風景をつくる」
株式会社石田伸一建築事務所(SIA inc.) 代表取締役/林業建築家 石田 伸一 氏

「100年前の住宅に学び、100年後のスタンダードをつくる」という思想を、どのように設計メソッドとして落とし込んだかを解説。建築家として林業・製材から住宅施工までの川上から川下を一気通貫するサプライチェーンを構築、良質な住宅・建築にとどまらず、景観形成やまちづくりといった社会貢献までを視野に入れて活動する思いを語る。2024年に、実際に大工集団としての施工会社を立ち上げた当事者として、大工と工務店のポテンシャルを示す。

登壇者

  • 菱田 昌平

    株式会社菱田工務店
    代表取締役/大工アーティスト

    1979年生まれ、長野県坂城町出身。小学校卒業後、中学に3カ月通い、不登校に。リンゴ農家、サッシ業者などを経て大工修行へ。26歳で独立し、2012年に菱田工務店を設立。「ベルギー民家」をはじめ、ものづくりを究めた、どこにもない唯一無二の住宅の圧倒的な世界観が、国内だけでなく海外のファンも惹きつける。インスタのフォロワーは菱田工務店が26万人、大工アーティストShohei Hishida個人でも24万人を誇る

  • 石田 伸一

    株式会社石田伸一建築事務所(SIA inc.)
    代表取締役/林業建築家

    1979年生まれ。新潟県十日町市出身。新潟市内のビルダーに勤務後、役員を経て2018年に退社し、石田伸一建築事務所を設立。建築設計のほか、まちづくりプロジェクトのプランニング、「魚沼杉」のブランディングなど幅広く活動を展開する。2020年に林業・製材会社UC Factoryを、2024年には施工会社として大工集団「Mt RiverSea(マウントリバーシ―)」を設立。住宅・建築の川上から川下まで一気通貫で手がけている。